BUSINESS

事業紹介

"多品種少量生産"で、時代のニーズに応え続ける。

創業から一世紀を経て、川邑研究所は時代の進化とともに歩んできました。
高度化する機器開発を実現する『固体被膜潤滑剤』の開発から、産業そして社会の発展に貢献します。

多品種少量生産を軸に、
ニーズに合わせた固体被膜潤滑剤を製造。

複数の物体が触れ合う際には、摩擦が生じます(歯車を思い出していただければ、イメージしやすいと思います)。もし強い摩擦が起きた時の急速な摩耗を防ぐため、用いられるのがグリースなどの潤滑油です。

しかし、高温下では油が炭化、逆に低温下でが粘化、真空状態では蒸発したりと過酷な環境下では、一般的な潤滑剤が使用できません。また、機器の小型化に伴い、内部で動作する金属部品同士の接触面積が狭くなると、潤滑油が押し退けられてしまいます。そんな特殊環境でも利用できる固体被膜潤滑剤を、私たちは専業メーカーとして長年開発・製造・販売して参りました。

「デフリック」をはじめとした私たちの製品が広まる大きなきっかけは、カメラのシャッター駆動部に利用されたことから。繊細なシャッター羽根が高低温下でも円滑に動作するように利用され、性能の向上に寄与しました。

高度な機器開発を後押しする固体被膜潤滑剤は評判となり、フィールドは自動車・船舶・航空機・発電機など多方面に広がります。特に、小型軽量化を求められる自動車メーカーのお客様からは多くのご依頼をいただき、コンパクトカーやEVといった省エネルギーに関わる新たな車両の開発を支えています。

固体被膜潤滑剤の開発に取り組んでから70年以上、技術と品質を重視しニーズに応えてきた実績が評価され、多くのお客様からリピートでご依頼をいただいています。ご紹介や口コミにより新たなお客様も増えており、今後も信頼をいただけるよう真摯に開発へ取り組んでいく方針です。

豊富な開発ノウハウを強みに、
高品質のものづくりに挑む。

川邑研究所の特徴を、ひと言で表せば“研究開発型企業”です。基幹製品となる『デフリック』シリーズを軸に、お客様のニーズに対応できるよう細かくカスタマイズしながら、最適な固体被膜潤滑剤を開発・提供しています。

固体被膜潤滑剤開発で主な素材となる、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素樹脂の特性を見極め、機器に使われている金属の種類、機構、機器の使用シーン、耐摩耗性や防水性など求められる性能を考慮。蓄積したノウハウと最新の技術を融合しつつ、高度な試験装置や解析装置を用いて評価を行ないながら、開発を進めています。

日々の開発を支えているのが、20代~60代まで幅広い世代が活躍中の技術者たちです。年功序列のない環境で、固定概念に縛られないアイデア、アイデアを実行する行動力、経験を活かした確かな知見からのアドバイスと、自由な社風のもとでそれぞれの強みを活かしています。

開発を進める際には広範な知見が求められるため、プロジェクトごとにチームを組みます。化学、金属、機械、電気、評価などの得意分野をそれぞれの社員が活かし、互いに尊重しながら相乗効果を発揮して開発に取り組めることが、川邑研究所の強みです。

気軽に教え合い、意見交換を重ねながら、案件ごとに知見を得て、新たな開発に取り組んでいく。技術者として理想とも言える開発サイクルに身を置き、ものづくり本来の面白さをモチベーションとして、日々開発に臨んでいます。

確かなコンサルティングを重ね、
ニーズを充たす最適な製品を開発。

技術への向上心、培ってきた知見やノウハウを強みとしながら、私たちはコンサルティングにも力を入れています。川邑研究所には、営業担当がおりません。開発のプロセスでは技術者がプロジェクトの全体像を把握して、ダイレクトにお客様とコミュニケーションをとり、お客様がどんな課題をお持ちかを丁寧にヒアリングします。

ニーズに見合う製品があればまずはそれを試していただき、フィードバックを重ねながら最適な製品を模索。お客様との距離が近いからこそ的確にニーズをキャッチでき、成果を出せる製品開発が実現しています。

案件は早い段階で解決する場合もあれば、2~3年と長い時間を要する場合もあります。最終的にご満足いただける品質の製品を開発でき、お客様の課題解決やイノベーションに繋がった実感を得られる瞬間こそが、川邑研究所の技術者にとって最大のやりがいです。

私たちがお受けする案件は難易度の高い案件が多く、お客様は誰もが知る大手メーカーの設計部門や研究開発部門です。まさにプロフェッショナルと言える方々とのやりとりを通じて、技術者として成長機会が数多く訪れます。

多様なニーズに期待以上のレベルで応えられるよう、前向きに取り組み新たな知見を得る。まさに、川邑研究所はお客様によって育てていただきました。これからも固体被膜潤滑剤の多品種少量生産を基軸に開発へ取り組み、変化と進化のスピードが早まる時代に応えて参ります。